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企業型の確定拠出年金「厚生年金が減る」思わぬ不利益

渡辺精一・経済プレミア編集部
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 従業員の老後資金作りのため、企業型の確定拠出年金(DC)を導入する会社が増えている。最近は、加入するかどうかを従業員自身が決める「選択型」が主流だが、そのメリットやデメリットを判断しにくいことが問題になっている。これを受け厚生労働省は10月、会社に「正確な説明」を求めるようにルールを改定した。いったい何が問題なのか。

「今もらうか、将来の年金か」

 DCは公的年金に上乗せする私的年金で、掛け金を個人ごとに区分し、加入者が運用する。会社が従業員のために導入する企業型DCと、個人が任意加入する個人型「イデコ(iDeCo)」がある。

 企業型DCは、会社が掛け金(上限5万5000円)を拠出し、従業員が運用する。導入企業は増えており、2020年8月末で3万6771社と約6年で倍になった。

 その基本は、全従業員が加入し、勤続年数などに応じて給与に上乗せした掛け金を会社が拠出する「全員加入型」で、大企業で導入が多い。

 これに対し、最近は「選択型」の導入が増えている。これは、従業員にDCに加入するかどうかを決めさせ、加入する場合は、これまでの給与の中から掛け金を拠出するもので「給与切り出し型」とも呼ばれる。従業員にとっては、給与の一部について「今もらうか、将来の年金に回すか」を決めることになる。

 つまり、同じ企業型DCでも、全員加入型と選択型では中身はかなり違う。掛け金の実質的な負担者は、全員加入型では原則通り会社だが、選択型は従業員だ。全員加入型が「足し算」なら、選択型は「引き算」で給与額は掛け金ぶん下がる。

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。