
新型コロナウイルスの感染拡大は、分譲マンションの暮らしにも変化をもたらしている。テレワークの定着などで、居住者の在宅時間が増えた結果、管理会社の業務対応への不満が募りやすくなっているのだ。
景気悪化で「変更」ニーズ
マンションでは生活ごみが増え、ごみ置き場の管理をめぐるトラブルも増えている。感染防止からエレベーターなど共用部の清掃状態が気になるという人も多い。今春の緊急事態宣言の際には、管理スタッフの通常勤務が難しくなり、居住者のニーズに十分対応できないケースもあった。
こうしたことを背景に、管理会社へのイライラが募りやすくなり、ひいては「管理会社を変更したい」という動きにつながりやすくなっている。
国土交通省はマンション管理の実態を把握する「マンション総合調査」を5年に1度行っている。管理会社を変更したマンションは、2013年の18.3%から、18年には20.9%と増加傾向にある。コロナ禍がそこに拍車をかけている状態だ。
だが、安易に管理会社を変更することにはリスクがある。
これまで、管理会社を変更したいというニーズは景気動向と連動していた。景気が悪くなると、家計が負担する管理費などのコストに目が向きやすくなる。そこで、管理費のなかから管理会社に支払う管理委託費を抑えるため、管理会社の変更を検討する動きにつながりやすかった。「管理会社を競争させれば、管理コストは下がる」とみなす風潮も生まれた。
現在も、コロナ禍で先々に不安を抱えるなか、管理委託費は割高なのではないか、と不信を持つ人はいるだろう。
マンション襲う「三つの老い」
ここで注意したいことがある。マンション管理を…
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