石角友愛のシリコンバレー通信

コロナ禍で女性の4人に1人が離職を考える理由とは

石角友愛・パロアルトインサイトCEO
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コロナ禍で多くの女性が離職を考えているという
コロナ禍で多くの女性が離職を考えているという

 大手コンサルティング会社のマッキンゼーと、リーンイン(フェイスブックのシェリル・サンドバーグ最高執行責任者が立ち上げたNPO)が共同で実施した女性の労働参加率に関する調査結果報告書が先日、発表された。この調査自体は2015年から始まったもので、累計600社以上の会社を対象にしている。

 2020年は今までとは全く違う調査結果となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、女性の4人に1人が労働市場から姿を消す、またはキャリアのグレードダウンを考えていることが分かったのだ。

 過去5年間の調査では男女の離職率などに大差は見られなかったが、今回の調査結果では、コロナによって女性の、特にマイノリティーの女性のキャリアが目立ってリスクにさらされていた。なぜだろうか。多くの女性が退職や離職を考えている背景には、解雇による不安、メンタルの問題、学校閉鎖による育児と自宅学習の責任増加、金銭的不安、などが挙げられる。そして、家事や育児は女性の方が男性より3倍多く行っているという調査結果も報告された。

 離職を考える際のトリガーになる要因として、職場での柔軟性の不足、コロナにより育児や家族の世話に時間が割かれることで仕事の評価が下がることへの不安、そのような不安に関して上司と話すことへの抵抗などがある。

 企業も何もしていないわけではない。例えば精神面での不安に関しては、実に90%の企業が社員のサポートの重要性について認識している。しかし、コロナ禍に伴い、実際に社員に対して精神面でのカウンセリングを提供し…

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石角友愛

パロアルトインサイトCEO

 2010年にハーバードビジネススクールでMBA(経営学修士)を取得後、米グーグル本社でシニアストラテジストとして、多数のAIプロジェクトを手がける。グーグル退社後、人事系スタートアップや流通系AIベンチャーを経て、2017年に日本企業にAI開発を行うパロアルトインサイトを起業。著書に「いまこそ知りたいAIビジネス」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。