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河井克行・案里夫妻に感じる「夫人が議員」となる違和感

山田道子・元サンデー毎日編集長
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河井克行元法相(左)と案里参院議員
河井克行元法相(左)と案里参院議員

 「もし夫婦でなければ、彼はあそこまでやったかなあ?」と結婚している友人らに聞くと、「やるわけがない」と切って捨てられた。2019年の参院選をめぐって、元法相の河井克行衆院議員と妻の案里参院議員が地元議長や首長らにカネをばらまき、公職選挙法の買収の罪に問われている件。

 両被告のテレビニュースでよく流れるのが、初当選した案里被告がにこやかに、安倍晋三前首相の側近である克行被告とともに官邸に入ってくる映像だ。まさにパワーカップル。案里被告が当選した時、「こーゆー形で女性が国会議員になる手があったのか」と驚いた記憶がよみがえる。

「社長になるか社長夫人になるか」

 文芸評論家の斎藤美奈子さんは著書「モダンガール論」(マガジンハウス)で、女の子の出世には「社長」になるか「社長夫人」になるか二つの道があると書いた。案里被告、「or」ではなく「and」だ。

 政治家になった後に職場結婚をした国会議員カップルというのはこれまでもあるが、国会議員である夫の「地盤、看板、カバン」をバックにして妻も国会議員になってしまったというのは珍しいのではないか。

 世界経済フォーラムが発表した2019年のジェンダーギャップ(男女格差)指数で、日本は121位と過去最低。特にひどいのが政治分野、調査対象153カ国中144位だ。菅義偉内閣も女性閣僚はたった2人。

 ちょっとそれるが、女性閣僚が少ないことに対し、「能力のある女性が少ない」「菅さんの眼鏡にかなう女性がいなかった」とかテレビのコメンテーターが言っていたが、なぜ女性だけ能力を問われるのか、菅首相の眼鏡を問わないのか、怒りを感じた。

女性が国会議員になる道とは

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山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。