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景気観測「FRB疾走とECB追随の行き着く先」

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 米連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策の枠組みを変更し、2%超のインフレを許容することを決めた。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、雇用の最大化と2%超のインフレを達成するまで、緩和的な金融政策を維持することを表明した。

 2%超のインフレ達成には相応の景気の過熱が必要だ。だが、コロナ禍の下でそのような高圧経済の実現は容易ではなく、財政・金融政策の協調、いわゆる財政ファイナンスの強化が不可欠となる。

 大統領選が迫るなか、米議会の追加経済対策協議は難航している。だが、現行の対策の失効による「財政の崖」を埋めるため、大規模な追加策は早晩実施されよう。これで国債増発が確定すれば、FRBは国債購入を増やして金利上昇圧力をねじ伏せることになる。財政ファイナンスが強化されれば、名目金利の上昇は抑えられる一方、インフレ期待は高まる。結果、実質金利はもう一段低下し、更なるドル安・米株高を招こう。

 だが、その裏でユーロ高が加速する。現在のユーロ高は米国の金融緩和によるドル安の副産物に他ならない。ユーロ圏経済の実力を反映しない通貨高はデフレ圧力を高め、欧州中銀(ECB)を追加緩和に追い込むだろう。ECBは、年内にもパンデミック緊急資産購入プログラムを強化し、欧州国債の大量購入によって域内各国の実質金利を押し下げると思われる。

米独実質金利が乖離

 図1の通り、コロナ禍以降は米独の実質金利に乖…

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