海外特派員リポート

トランプVSバイデン「SNS」めぐる摩擦と規制論議

中井正裕・北米総局特派員(ワシントン)
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米大統領選で争う共和党のトランプ氏(左)と民主党のバイデン氏
米大統領選で争う共和党のトランプ氏(左)と民主党のバイデン氏

 11月3日の米大統領選が迫る中、米タブロイド紙が報じた民主党候補・バイデン前副大統領に関する「疑惑」報道が議論を呼んでいる。同記事の拡散を制限したネット交流サイト(SNS)大手とトランプ陣営の摩擦が強まっているからだ。

 公正な選挙を実現するためにSNS上で問題のある投稿をどの程度まで規制すべきか――という論点は、2016年大統領選に続き、今回の大統領選でも大きな問題となっている。

「民主党の手先」とトランプ氏

 「ツイッターとフェイスブックは民主党の手先だ」。トランプ氏は10月15日、米FOXビジネスのテレビ番組で、SNSがトランプ陣営の公式アカウントを一時制限したことに不満を爆発させた。

 発端は、ニューヨーク・ポスト紙の10月14日付の報道だ。同紙は、バイデン副大統領の息子ハンター氏が15年、汚職疑惑の渦中にあったウクライナ企業の幹部とバイデン氏との面会を仲介したと伝えた。

 東部デラウェア州のパソコン修理店に放棄されたノートパソコンにバイデン氏の電子メール記録が残っており、トランプ氏の顧問弁護士を通じて記録データのコピーを入手したという。バイデン陣営はバイデン氏とこの幹部の面会を否定した。

 情報入手の経緯など信頼性に疑わしい点が多く、ツイッター社は「ハッキングで入手した情報の配信を禁止する」との運用規則に基づき、同記事の転載をブロックした。フェイスブックも「事実関係を確認するまで記事の表示回数を減らす」と発表した。

 同記事を引用してバイデン氏を「うそつき」と攻撃したトランプ陣営のツイッター公式アカウントは一時凍結され、トランプ陣営は猛反発。共和党は連邦選挙管理委員会に「ツイ…

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中井正裕

北米総局特派員(ワシントン)

1975年京都府生まれ。立命館大学法学部卒。2000年毎日新聞入社。岐阜支局、中部報道センターを経て、09年から経済部で電力改革、貿易交渉、日銀などを取材。政治部にも在籍し、首相官邸、自民党などを担当した。18年10月から現職。