職場のトラブルどう防ぐ?

「結婚休暇で正社員と格差」29歳契約社員のモヤモヤ

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 A子さん(29)は従業員数約300人の食品メーカーで営業事務の契約社員として働いています。3年前に入社して1年契約を更新し続ける一方、プライベートでは今年8月に結婚しました。同年代の同僚も多く働きやすい職場ですが、結婚に関して正社員との間で待遇の違いがあり、複雑な心境になっています。

祝い金も特別休暇もなし

 職場では正社員が結婚すると、会社から祝い金が支給され、7日間の特別休暇があります。一方、A子さんのような契約社員は、祝い金も休暇もありません。結婚式や新婚旅行のためにまとまった休暇を取るには、自分の年次有給休暇を使い、有休が足りない場合は欠勤になります。

 契約社員の契約更新には、遅刻や欠勤が判断材料になるといわれています。A子さんは結婚が決まったころから、結婚式などに備え、できるだけ有休を使わないようにしていました。

 8月に婚姻届を出して夫と暮らし始めましたが、新型コロナウイルスの影響で結婚式と新婚旅行は先延ばしにしたため、有休はほとんど使っていません。ただ、今後の式や旅行のために有休を残しておかなければならないことに変わりはありません。

 正社員の同僚たちとは、同じ職場で机を並べて同じような仕事をしています。しかし、人生における大きなイベントへの待遇が違うことについて、A子さんは人とし…

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/