
全国のマンションは2019年末で約666万戸にのぼり、国民の1割はマンションに住んでいる。うち築30年超は214万戸と約3分の1を占める。築年数の古い中古マンションが増えていくなか、より長く快適に住み続けるため、リフォーム工事のニーズも高まっている。
「見えないところ」の劣化に注意
だが、それに伴い、リフォーム工事をめぐるトラブルも増えている。リフォーム工事後、住まいに不具合が見つかり「原因は工事にあったのではないか」という問い合わせが、さくら事務所に寄せられることも多い。
そこで、マンションのリフォームを行う時、注意すべき点を解説しよう。
まず、慎重に考えたいのは、どこをリフォームするかという点だ。リフォームを考える場合、住まいの「見た目が気になる」ことが発端になりやすいが、目に見えない不具合や劣化にも意識を向けたい。
例えば、システムキッチンが古くなり、見た目や使い勝手が悪いために交換を検討しているケース。実は、目には見えないが床下の設備配管も老朽化しており、その交換も必要だということも多い。古い配管が放置されてしまった結果、後の漏水トラブルの原因になるということもある。
住まいは年月と共に老朽化する。目に見えないところは気が付かないうちに劣化が進んでいるものだ。リフォームをするのであれば、住まいの劣化状況や、工事・交換が必要かどうかは、必ず確認しておこう。
とはいえ、自分では判断が難しいことも多い。住まいの専門家であるホームインスペクター(住宅診断士)などに相談してもいいだろう。
「工事見積もり」で業者を見抜く
次に、どこにリフォーム工事を依頼するかだ。
それを決め…
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