経済記者「一線リポート」

麻生太郎氏も一目「共産の論客」大門実紀史氏の弁舌

赤間清広・毎日新聞経済部記者
  • 文字
  • 印刷
麻生太郎氏ら菅政権について語る大門実紀史氏=東京都千代田区の参院議員会館で2020年10月19日、赤間清広撮影
麻生太郎氏ら菅政権について語る大門実紀史氏=東京都千代田区の参院議員会館で2020年10月19日、赤間清広撮影

 共産党の大門実紀史(みきし)参院議員(64)は京都市出身。京都市立日吉ケ丘高校を卒業後、神戸大学で経済学を専攻するが、「まともに通ったのは入学してから数カ月だけ」。当時、夢中になったのは経済ではなく、演劇だった。高校の学園祭で上演した演劇が評判となり、大学進学後も神戸の市民劇団で活動した。

 将来の夢は劇作家。「つかこうへいの喜劇を、関西風にしたような脚本を書いていました。吉本新喜劇の影響もかなり入っていました」。450席のホールを埋めるほど人気が出始めた矢先、東京の著名劇団の関係者が公演を見に訪れる。

 公演終了後、大門氏はその関係者から「脚本がおもしろい。東京に来ないか」と声をかけられた。一気に有頂天になり、大学を中退。「演劇に一生をかける」と決め、東京へ向かった。

「大門君、新聞読んでる?」

 だが、現実は厳しかった。見習として入った著名劇団の公演はシェークスピアなど大作が中心。数カ月間、在籍したが、すぐに挫折した。「おめおめ関西には戻れない」と、東京で知り合った若者十数人と手弁当で演劇を続けたという。

 当然、収入はほとんどない。生活のため大学生協でアルバイトを始めた。東京・石神井の店で働いていた時、食堂の女性に「大門君、新聞読んでる?」と声をかけられたことが転機になった。

 「読んでみなさい」と渡されたのが共産党の機関紙「赤旗」だった。「そのおばちゃんが共産党員だったんです。読書が好きで隅々まで赤旗を読んだら『こんな世界があるのか』と感銘を受けました」

 そのまま共産党に入り、東京土建一般労働組合の専従として下請け企業の救済など労働運動にのめりこんでいく。

麻生太郎氏と長く対峙

 演劇…

この記事は有料記事です。

残り1351文字(全文2052文字)

赤間清広

毎日新聞経済部記者

 1974年、仙台市生まれ。宮城県の地元紙記者を経て2004年に毎日新聞社に入社。気仙沼通信部、仙台支局を経て06年から東京本社経済部。霞が関や日銀、民間企業などを担当し、16年4月から中国総局(北京)。20年秋に帰国後は財務省を担当しながら、面白い経済ニュースを発掘中。