ニッポン金融ウラの裏

「金融商品の時価算定」銀行の会計基準が厳しくなる

浪川攻・金融ジャーナリスト
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「時価」に関わる会計ルールをさらに厳格化する国際的な動きがある。国内では金融庁などが検討している=2020年1月、古屋敷尚子撮影
「時価」に関わる会計ルールをさらに厳格化する国際的な動きがある。国内では金融庁などが検討している=2020年1月、古屋敷尚子撮影

 銀行が保有する有価証券とその関連商品は、「時価」で評価する会計ルールが国際標準だ。有価証券や関連商品を時価で算定し、決算期ごとに財務諸表に表示するルールだ。日本でも2000年度から導入されている。

 この会計ルールをさらに厳格化する国際的な動きがある。非上場で、日々価格が示されることがない金融商品について、より厳しい基準で時価を算定するものだ。国内でも金融庁などが検討しており、国際的な基準に変更する方向にある。運用難のなかで、リスクのある金融商品を運用対象にしている銀行は、変更によって評価損の計上を迫られかねない内容だ。いつルール変更を行うか、時期については今後の議論となる。

複雑な金融商品の時価算定

 有価証券とその関連商品は、上場企業の株式のように日々価格が公示されているものもあれば、私募投信のように日々の価格が客観的に示されないものもある。銀行の会計上、価格が常に公示されているものを「レベル1」、客観的な情報から時価評価が可能なものを「レベル2」、時価が明確に示されていないものを「レベル3」と分類し、分別開示している。

 このうち、問題になっているのは「レベル3」の評価だ。私募投信や複雑な金融派生商品について、一部の地銀は、自ら時価を算出する態勢が整っていないことが少なくなかった。その場合、商品を販売した証券会社に確認し、提示された価格を時価として活用することがあったという。

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。