
コロナで人々の生活は一変した。「ステイホーム」が定着して家族で過ごす時間が増え、絆が深まった家庭もあれば、逆に長年くすぶっていた夫婦の問題があぶり出され「コロナ離婚」に至るケースもある。
住宅ローン残っているなら
離婚の場合、検討しなければならないのが、マイホームの扱いだ。現金は分けることができるが、不動産は簡単に分けることができない。
結婚を機に共有名義で家を購入することは多い。離婚にあたり、それを売却して現金化することはよくある。
ただし、そこで注意点がいくつかある。
まず、不動産取引は、夫婦の合意形成が必要になるため、通常よりも時間がかかりやすくなる。特に、双方が弁護士を付けている場合は、交渉の窓口が増え、検討や回答などの時間が長引きやすい。
勢い「早めに売ってしまおう」と相場より安売りすることにもなりがちだ。それも一つの手だろうが、多少時間がかかることは覚悟し、じっくり付き合ってくれる不動産仲介業者と取引を進めるほうが、後々、後悔することは少ないだろう。
住宅ローン残債がどれぐらいあるかもポイントだ。残債が少なかったり、物件の市場価格が残債を上回ったりしていれば問題は少ない。だが、逆に、市場価格が残債を下回るようなら、返済資金の手当てが必要だ。
住宅ローンの返済が難しく、どうしても売却したい場合は「任意売却」が検討できる。借入先の金融機関など債権者の合意を得て、自分で売却する方法だ。返済が滞ってローンの担保物件が差し押さえられ強制売却となる競売に比べ、取引は有利になり、市場価格に近い値で売却できる場合も多い。
ただし、任意売却にはさまざまな手続きが伴う。残債はゼロに…
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