海外特派員リポート

コロナ欧州第2波「店舗閉鎖」が生んだ新たな“対立”

横山三加子・毎日新聞欧州総局特派員(ロンドン)
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外出制限措置前の南仏マルセイユ。午後9時以降は外出禁止のため人影はまばらだ=2020年10月27日、横山三加子撮影
外出制限措置前の南仏マルセイユ。午後9時以降は外出禁止のため人影はまばらだ=2020年10月27日、横山三加子撮影

 欧州は新型コロナウイルスの感染「第2波」に見舞われている。各国政府は10月ごろから店舗の営業時間短縮など規制を強化し、現在は英国イングランドやフランスなどで外出制限措置が取られている。

 今春に続く事実上のロックダウン(都市封鎖)だが、2度目という慣れもあってか市民生活に大きな混乱は生じていない。

 だが、ちょっと様子は異なる。現地で見えてくるのは、何層にも入り組む対立だ。

パリでやるより簡単だから?

 「マルセイユは全ての規制の実験場で、最初に店舗閉鎖になった。首都パリでやるよりも簡単だからかもしれないが、もう十分だ」

 やりきれなさを示すのは、南仏マルセイユの飲食店経営者団体のベルナルド・マルティ代表だ。フランス第2の都市、マルセイユは夏場に国内観光客でにぎわったこともあって、感染再拡大が始まってしまった。

 このため政府は9月下旬に突然、マルセイユの飲食店の営業禁止を決めた。その後、地元からの抗議で営業禁止の期間は短縮されたが、私が訪ねた10月下旬は午後9時以降の外出が禁止されていた。

 「第2波」で各国政府は当初、経済活動への影響を考え、感染の深刻さに応じて地域ごとに規制強化を考えた。だが、対象となった地域の不満を招き、溝が深まった。

 マルセイユと似たような状況は英国でも見られた。英政府が10月に感染が拡大した英中部のマンチェスター大都市圏について、飲食店の営業禁止などの厳しい措置を決めようとしたところ、バーナム市長が「地域ロックダウンの試験場として炭鉱のカナリアのような役割をさせられている」と猛烈に反発した。

「閉鎖するなら公平に」

 生まれたのは「中央VS地方」という構図だ…

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横山三加子

毎日新聞欧州総局特派員(ロンドン)

1981年、埼玉県生まれ。法政大学社会学部卒。2004年、毎日新聞社に入社。岡山支局、大阪本社経済部を経て13年から東京本社経済部。電機・通信業界、経済産業省や財務省、財界などを担当。19年10月から現職。