メディア万華鏡

これじゃあ男もしんどくない?「鬼滅の刃」の男女観

山田道子・元サンデー毎日編集長
  • 文字
  • 印刷
映画の興行収入で好成績の「鬼滅の刃」=東京都内で2020年10月21日、中村琢磨撮影
映画の興行収入で好成績の「鬼滅の刃」=東京都内で2020年10月21日、中村琢磨撮影

 映画を見ても原作のコミックスを読んでも正直、「なぜこんな大ヒット?」と私には分からなかった。戦闘場面が多いし、「心を燃やせ」とか説教くさい。漫画家・吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの「鬼滅の刃(やいば)」。

 アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」(外崎春雄監督、10月16日公開)が興行収入200億円を突破したと、製作・配給のアニプレックスが11月9日発表した。2001年公開の「ハリー・ポッターと賢者の石」を抜いて歴代5位となった。

 原作漫画は週刊少年ジャンプ(集英社)で16年から連載され、20年5月に終了した。主人公の竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が、鬼に家族を殺され、鬼になってしまった妹竈門禰豆子(かまど・ねずこ)を救うため仲間と共に鬼と戦う物語。映画はコミックスの7、8巻、鬼狩りの剣士・煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう)、炭治郎らと鬼との戦いがメインだ。

メディアが詳報

 当然、メディアはさまざまに取り上げる。まずは「吾峠呼世晴って誰だ?」だろう。週刊新潮11月5日号は、集英社関係者の話として「女性なんです。年の頃は31歳前後の独身。出身は福岡でご実家の方から“そろそろ身を固めては”と心配され、郷里に帰ることになったと言われています」と、連載が5月で終結した理由を説明した。

 毎日新聞10月29日夕刊では、アニメ評論家の藤津亮太さんが「人生の不条理に直面した時、思いの強さと努力で乗り越える(炭治郎の)姿が、現代の観客の支えになっているのでは」と分析した。

 朝日新聞デジタルは「『鬼滅』映画なぜ大ヒット 理由を考えたら、16もあった」を配信した(11月5日)。うち「今が絶…

この記事は有料記事です。

残り1028文字(全文1730文字)

山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。