
映画を見ても原作のコミックスを読んでも正直、「なぜこんな大ヒット?」と私には分からなかった。戦闘場面が多いし、「心を燃やせ」とか説教くさい。漫画家・吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの「鬼滅の刃(やいば)」。
アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」(外崎春雄監督、10月16日公開)が興行収入200億円を突破したと、製作・配給のアニプレックスが11月9日発表した。2001年公開の「ハリー・ポッターと賢者の石」を抜いて歴代5位となった。
原作漫画は週刊少年ジャンプ(集英社)で16年から連載され、20年5月に終了した。主人公の竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が、鬼に家族を殺され、鬼になってしまった妹竈門禰豆子(かまど・ねずこ)を救うため仲間と共に鬼と戦う物語。映画はコミックスの7、8巻、鬼狩りの剣士・煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう)、炭治郎らと鬼との戦いがメインだ。
メディアが詳報
当然、メディアはさまざまに取り上げる。まずは「吾峠呼世晴って誰だ?」だろう。週刊新潮11月5日号は、集英社関係者の話として「女性なんです。年の頃は31歳前後の独身。出身は福岡でご実家の方から“そろそろ身を固めては”と心配され、郷里に帰ることになったと言われています」と、連載が5月で終結した理由を説明した。
毎日新聞10月29日夕刊では、アニメ評論家の藤津亮太さんが「人生の不条理に直面した時、思いの強さと努力で乗り越える(炭治郎の)姿が、現代の観客の支えになっているのでは」と分析した。
朝日新聞デジタルは「『鬼滅』映画なぜ大ヒット 理由を考えたら、16もあった」を配信した(11月5日)。うち「今が絶…
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