鉄道カメラマン見聞録

「700系→ N700→ N700A→ N700S」新幹線進化の系譜

金盛正樹・鉄道カメラマン
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エアロ・ダブルウイングと呼ばれる複雑な曲面で構成する先頭部を持つN700系=広島県の山陽新幹線・三原駅で2016年6月14日、金盛正樹撮影
エアロ・ダブルウイングと呼ばれる複雑な曲面で構成する先頭部を持つN700系=広島県の山陽新幹線・三原駅で2016年6月14日、金盛正樹撮影

新幹線ものがたり(2)

 1964年に東海道新幹線(東京-新大阪間)が開業してからすでに半世紀余、山陽新幹線(新大阪-博多間)が全通してから45年がたちました。その間、東海道・山陽新幹線のフラッグシップ車両は世代を重ね、現在は第5世代の「N700系」が主力となっています。

 N700系が営業運転を開始したのは2007年。線路の曲線をうまく通過させるため、線形に応じて車体を傾ける「車体傾斜システム」を搭載していることが特徴です。

 13年に走行系統を中心に見直しが図られ、以降の車両はマイナーチェンジ版の「N700A」となりました。これに伴い、既存のN700系にも順次改造が施され、16年には全車両がN700A仕様となりました。

 11年、九州新幹線鹿児島ルート(博多-鹿児島中央間)が全通し、博多で山陽新幹線と接続しました。これを機に新大阪-鹿児島中央間の直通列車「みずほ」「さくら」が新設され、その専用車両として、車体色が薄ブルーグレーのN700系7000番台(JR西日本所有車)と8000番台(JR九州所有車)が誕生しました。

カモノハシの700系

 N700系の1世代前の主力車両だったのが、99年に営業運転を開始した「700系」です。特徴的な先頭車両の形から「カモノハシ」の愛称で親しまれました。

 東海道新幹線からは2020年に引退しました。3月にお別れのヘッドマークなどを施して運行する予定だった最終臨時列車は、新型コロナウイルス禍の影響で運休となりました。東海道新幹線で20年余にわたって活躍した700系は、ラストランのセレモニーもなく、ひっそりと姿を消す不遇の車両になってしまいました。

 現在定期運用している…

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金盛正樹

鉄道カメラマン

 1967年神戸市生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒業後、商業写真プロダクション「ササキスタジオ」に7年間在籍。1996年からフリー。鉄道専門誌や一般誌に写真を発表している。「鉄道と名のつくものは、実物から模型、おもちゃまで何でも撮影する」がモットー。日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。鉄道と同じくらいクルマも好きで、愛車はスズキジムニー。機械式カメラ、日本史、日本刀など趣味多数。