石角友愛のシリコンバレー通信

「ウーバー運転手は独立業務請負人」投票結果の意味とは

石角友愛・パロアルトインサイトCEO
  • 文字
  • 印刷
米ロサンゼルス国際空港に設置されているウーバーの看板=AP
米ロサンゼルス国際空港に設置されているウーバーの看板=AP

 米大統領選も勝敗の見通しがつき、少しずつ前に向かって進み出している。大統領選の投票日は、大統領や副大統領を選ぶだけではなく、州内の有権者が提案した条例案に関しても住民投票が行われる。

ギグワーカー巡る住民投票

 例えば、カリフォルニア州では「プロポジション22(提案22号)」、略してProp.22についての住民投票が行われた。配車アプリのウーバーやリフト、宅配アプリのウーバーイーツやドアダッシュに代表される「ギグエコノミー」で働く労働者「ギグワーカー」の権利に関する重要な条例案であり、過半数を取るかどうか注目されていた。

 ウーバーなどのドライバーは、従業員とはみなされず、独立業務請負人の扱いである。従業員か独立業務請負人かの区分に関する条件は明示されており、例えば、作業内容に関して発注側が細かい指定をする場合などは従業員とみなされる。

 一般的に、従業員に対しては企業が健康保険料や雇用保険料などを負担する義務があり、従業員は最低賃金や有給休暇などの基本的な労働保護が受けられる。こうした会社負担や労働保護は独立業務請負人には当てはまらないため、当然、独立業務請負人としてギグワーカーを抱える企業側のコストは圧倒的に安くなる。

 このギグワーカーの区分に関して長年論争が起きており、ウーバーなどのドライバーを従業員として扱うべきだという意見が多く出ていた。カリフォルニア州は今年1月、ウーバーなどがドライバーを従業員として扱うよう定めた州法を施行した。

約210億円のマーケティング活動を展…

この記事は有料記事です。

残り845文字(全文1491文字)

石角友愛

パロアルトインサイトCEO

 2010年にハーバードビジネススクールでMBA(経営学修士)を取得後、米グーグル本社でシニアストラテジストとして、多数のAIプロジェクトを手がける。グーグル退社後、人事系スタートアップや流通系AIベンチャーを経て、2017年に日本企業にAI開発を行うパロアルトインサイトを起業。著書に「いまこそ知りたいAIビジネス」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。