経済記者「一線リポート」

コロナ禍の税制改正「異変」あり!

村尾哲・毎日新聞経済部記者
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自民党税制調査会のトップとして税制改正作業を主導する甘利明税調会長=自民党本部で10月14日、玉城達郎撮影
自民党税制調査会のトップとして税制改正作業を主導する甘利明税調会長=自民党本部で10月14日、玉城達郎撮影

 国の形といわれる税制。複雑に絡み合った業界の利害調整を図り、税金の取り方を決めていく自民、公明両党の税制調査会は19日から議論をスタートさせる。12月10日にも策定される与党税制改正大綱を見据え、各業界は日々陳情に汗をかく。今年は新型コロナウイルス禍とあって税負担の軽減はどの業界にとっても切実な課題だ。陳情に勢いを増す業界とそうでない業界。すでに明暗を分けている。

「ブレーキを踏むまねはやめて」

 10日の自民党本部9階。国土交通部会の平口洋会長ら国会議員を前に、住宅関連の業界団体幹部がくぎを刺した。話題は一定条件のもとで住宅ローンを利用した際に所得税を軽減する住宅ローン控除制度。財務省は控除期間の特例(13年間)の終了などを模索するが、業界側からは特例期間を延長した上で、広さ50平方メートル以上とする面積要件の緩和などを求める声が相次いだ。

 消費増税にコロナショックが重なり、新設住宅着工戸数は昨年7月以降、15カ月連続で前年を下回るなど、業界を取り巻く状況は厳しさを増している。自民党の住宅土地・都市政策調査会は、特例延長に加えて面積要件緩和も政府に提言する方針で、税調内にも同調論が広がっている。

 その時々の社会の変化に対応するのも税制だ。そのため、ある税調幹部は「ライフスタイルの変化もあり、40平方メートル台のマンションも増えてきた。特例の延長は当然だ」と語る。菅義偉首相の側近で、かつて国土交通省の住宅局長を務めた和泉洋人首相補佐官の存在もちらつく。住宅税制に一家言ある和泉氏は財務省に直接働きかけており、焦点は面積要件をどれだけ緩和するかに移りつつある。業界団体の関係者は「…

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村尾哲

毎日新聞経済部記者

1983年東京生まれ。上智大卒業後、2008年毎日新聞社入社。福岡報道部、鹿児島支局を経て、13年4月から東京本社政治部で官邸、防衛省、自民党などを担当。20年4月から東京本社経済部で財務省や内閣府を担当している。