週刊エコノミスト Onlineから

コロナ禍の米国「天然食ペットフード会社」急伸のワケ

週刊エコノミスト Online
  • 文字
  • 印刷
(出所)ブルームバーグ
(出所)ブルームバーグ

 フレッシュペットは新鮮な自然食材を使った犬や猫向けの高級ペットフードの製造・販売を行う米国企業だ。急速な売り上げの伸びと好調な株価で注目されている。

 2004年創業のフレッシュペットは、「選りすぐりの、新鮮で安全な食材で作られた食事を与えたい」という飼い主の希望に応える製品を次々と市場に送り出し、成功を収めている。ペットを人間と同じ家族の一員として扱いたいという時代の変化の波に加えて、コロナ禍での在宅ワークの広がりがペット需要を高めている。

有望な成長市場

 フレッシュペットが販売するのは、乾燥した固形型の餌や保存料が入った缶詰食品といった従来の一般食品ではない。生野菜をふんだんに使った国産食材を本来の栄養価を損なわないように低温加熱し、さらに保存料や防腐剤は使用していない。発がん性のある加工肉も避け、鶏肉は抗生物質を含まない餌で飼育されている。牛肉は安全管理の徹底した牧場で生産された新鮮なものを使用している。 同社の戦略的なマーケティングは、米国の家族観の変化をベースとして、人間の健康・安全志向の高まり、家族のようなペットが組み合わさったものだ。20代や30代の若い世代も新規顧客として増えている。

 ペット業界の推定では、全米世帯の60%に相当する8000万世帯で犬猫が飼育され、個体数は1億7000万匹に上る。フレッシュペット製品は300万世帯で利用されており、25年12月期にはこれを800万世帯に引き上げることが目標だ。

 ペットフードは一度特定のブランドのものを使い始めると、餌の変更を犬や猫がいやがることが多い。そのため、いったん購入するとそのまま固定客となる傾向がある。体…

この記事は有料記事です。

残り2125文字(全文2823文字)

週刊エコノミスト Online

ビジネス誌「週刊エコノミスト」のウェブ版に、各界の専門家やライターらが執筆します。