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「とりあえずSDGsアピール」より企業がすべきこと

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雇用を通じて貧困削減

 近年、「SDGs(エスディージーズ)」が注目されている。SDGsとは、2015年9月に国連総会で採択された、30年までの国際社会の開発目標「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、15年までの開発目標を定めた「MDGs(Millennium Development Goals=ミレニアム開発目標)」の後継である。

 MDGsが途上国の貧困・教育・健康・環境問題に焦点を当てて8つの目標と21のターゲットを設定していたのに対し、SDGsは17の目標と169ものターゲットを設定している。注目が増すにつれ、企業もSDGsを掲げることで広告効果やビジネス機会創出が見込めるようになり、SDGsへの取り組みをアピールするようになってきた。もちろん真剣にSDGsに取り組む企業も多いが、一方で「とりあえずSDGsアピール」という取り組みも多くみられる。

 本稿では、SDGsの最重要課題の一つである貧困削減について、「とりあえずSDGsアピール」よりもはるかに重要な雇用創出について論じたうえで、重要な取り組みを促すSDGs指標の作成を提案したい。

資源産業では不十分

 SDGsもその前身のMDGsも、第1番目の目標に貧困削減を掲げている。MDGsは、15年までに極度の貧困状態(1日1・25ドル未満)で暮らす貧困層の割合を1990年比で半減させるというターゲットを設定した。経済成長が停滞気味だったサブサハラ(アフリカでサハラ砂漠以南の地域)では57%→41%と未達成だったが、途上国全体では47%→14%で3分の1以下となり…

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