経済記者「一線リポート」

財務省の正門に刻まれた「雷登少尉」の謎解きに挑む

赤間清広・毎日新聞経済部記者
  • 文字
  • 印刷
財務省の正門近くの壁に残る謎の文字。「雷登少尉」と読める=東京・霞が関の同省で2020年11月13日、赤間清広撮影
財務省の正門近くの壁に残る謎の文字。「雷登少尉」と読める=東京・霞が関の同省で2020年11月13日、赤間清広撮影

 東京・霞が関の財務省。初めて同省担当になった2006年以来、ずっと気になっていたものがある。正門近くの柱に残された古めかしい文字だ。

 「FINANCE BUILDING(金融ビル)」「CUSTODIAN(管理人)」という英文とともに「米軍管理人」「雷登少尉」という文字がかすかに読める。

 「雷登少尉」とは誰だろう。一体、なぜこんな文字が財務省の柱にあるのだろう。久しぶりに担当に戻った財務省で、その謎解きに挑んだ。

 財務省庁舎は地下1階、地上5階。最上階の5階には国税庁が入っている。1943年完成の旧大蔵省の建物で、重厚な建物ではあるが、初めて同省を訪れた人はその古めかしさに驚くだろう。廊下は板張り。地下の天井にはむき出しのパイプが張り巡らされている。

 霞が関の庁舎を管理する国土交通省官庁営繕部に話を聞くと、「建設当時のまま使われ続けている霞が関の中央官庁舎の中で、財務省は最も古い」のだという。

旧大蔵省庁舎として戦禍に耐える

 霞が関で歴史ある庁舎といえば、法務省が入る「赤れんが庁舎」が有名だ。ドイツ人建築家の基本設計をもとに1895年に完成した西洋建築の傑作だが、1945年の東京大空襲で、れんが壁を残して大部分が焼失。その後、大幅に改修した経緯がある。

 財務省の隣に建つ文部科学省の旧庁舎も1933年建設の歴史ある庁舎だが、2007年に外観など一部を残して高層ビルに建て替えられた。

 一方、財務省庁舎が当時の大蔵省庁舎として完成した43年当時は、戦争が激化して資材の入手が困難となり、完成までに9年を要したという。

 「赤れんが庁舎」と異なり、旧大蔵省庁舎は東京大空襲の被害も軽微で済んだ。しかし…

この記事は有料記事です。

残り961文字(全文1665文字)

赤間清広

毎日新聞経済部記者

 1974年、仙台市生まれ。宮城県の地元紙記者を経て2004年に毎日新聞社に入社。気仙沼通信部、仙台支局を経て06年から東京本社経済部。霞が関や日銀、民間企業などを担当し、16年4月から中国総局(北京)。20年秋に帰国後は財務省を担当しながら、面白い経済ニュースを発掘中。