地域で光る小さな会社

鎌倉の創作和菓子店が築く「美しい上生菓子」の世界観

櫻田弘文・クエストリー代表取締役
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日本の伝統文様を和菓子で表現した創作和菓子店・手毬の「市松手毬」
日本の伝統文様を和菓子で表現した創作和菓子店・手毬の「市松手毬」

 創作和菓子店「手毬」(てまり、神奈川県鎌倉市)は、斬新なアイデアで色彩豊かな上生菓子の「練りきり」などを手がけている。看板商品の「手毬」や「市松手毬」はピンポン球より一回り大きく丸い形で、一つ500円からだ。メディアで紹介されたり、企業の宣伝用ポスターなどに採用されたりしてきた。

 店舗は、あじさいで有名な長谷寺の最寄り駅の江ノ島電鉄・長谷駅から南西に徒歩8分ほどの住宅街にある。2棟の建物があり、1棟は工房と和菓子教室。もう1棟は「茶寮てまり」で、季節の上生菓子と抹茶を出す。鎌倉散策の小休憩で立ち寄る人々を引きつけてやまない。

 同店には三つの強みがある。それまでなかった独自の世界観を表現した「創作和菓子」▽和菓子作りを一般の人に楽しんでもらう「体験教室」▽歴史と文化がある鎌倉を拠点とする「立地」――だ。

独学で斬新なアイデア

 同店代表で創作和菓子作家の御園井(みそのい)裕子さん(53)は、20代後半に独学で和菓子作りを始めた。御園井さんは「甘いものが苦手で、自分で買うことも和菓子作りをしたこともありませんでした」というが、ある本で見た上生菓子の美しさに興味を持ったのがきっかけで、製作にのめりこんだ。

 その後、製菓学校に通い、製菓衛生師と調理師の免許を取得した。イベントに出展したり個展を開いた…

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櫻田弘文

クエストリー代表取締役

1955年山梨県生まれ。日本大学卒業後、78年に販売促進の企画・制作会社に入社。2001年、クエストリーを設立して独立。中小企業経営者向けの「クエストリー・ブランディングクラブ」を主宰する他、数多くの専門店や飲食店のブランディングを実践的に指導している。