職場のストレス・マネジメント術

酔って課長に暴言 酒癖が悪い人に勧める「減酒外来」

舟木彩乃・産業心理コンサルタント・カウンセラー
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 福田さん(仮名、男性20代半ば)は、化学薬品メーカーの法人営業部1課(15人)に所属しています。課員の中では年次が一番下で、入社2年目ですが1人で担当先は持たず、先輩を手伝いながら仕事を学んでいるところです。

 福田さんは、おとなしい性格で口数が少ないものの仕事は丁寧にこなします。先輩たちからさまざまな仕事を頼まれますが、急に残業が必要になる頼み方をする先輩もいて、ストレスがたまることもありました。

飲酒が一番のストレス解消法

 そんな彼の一番のストレス解消法は晩酌で、平日はビール中瓶2本程度、週末はワイン、焼酎、日本酒など他のお酒も飲みます。酔うと気分が高揚し、いつもと違う自分になれる大切な時間のようです。妻からは「昨日は、あなたにひどいことを言われてショックだった」などと怒られたことが何度かありました。しかし、飲酒中の記憶がなく(医学用語では「ブラックアウト」という)、何を言って怒らせたのか覚えていないこともあったそうです。

 課で飲むときは会計を任されるので、通常はビールジョッキ2杯程度にとどめていました。しかし、大きな案件をまとめたお祝いの会があり、その日は事務職の派遣社員が会計を引き受けてくれたので、つい、いつもの限度を超えて飲んでしまいました。すると、先輩に対する不満が次々と口から出て、ついには課長を指さして管理能力について指摘をし始めたそうです。

 翌日、先輩から「覚えている?」と昨日の言動を一通り知らされると、福田さんは真っ青になりました。先輩や課長への暴言をほとんど覚えていなかったのです。

アルコール依存症とまではいえないが

 筆者は、福田さんから相談を受けました…

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舟木彩乃

産業心理コンサルタント・カウンセラー

 筑波大学大学院博士課程修了(ヒューマン・ケア科学博士)。一般企業の人事部などを経て、現在メンタルシンクタンク(筑波大学発ベンチャー企業)副社長。金融庁職員のメンタルヘルス対策にも従事する。国家資格として公認心理師、精神保健福祉士、第1種衛生管理者、キャリアコンサルタントなど保有。著書に「『首尾一貫感覚』で心を強くする」(小学館新書)。