経済記者「一線リポート」

コロナでも増収増益 西松屋「ガラガラ経営」の秘密とは

宇都宮裕一・毎日新聞大阪経済部記者
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ハンガーに掛けた服の前面が見えるような形で陳列されている西松屋の店舗=大阪市住吉区の住吉遠里小野店で2020年10月20日、藤井達也撮影
ハンガーに掛けた服の前面が見えるような形で陳列されている西松屋の店舗=大阪市住吉区の住吉遠里小野店で2020年10月20日、藤井達也撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大で、一部アパレルメーカーが打撃を受ける中、子供服・子供用品大手の西松屋チェーン(兵庫県姫路市)は増収増益と好調だ。人気の秘密は、できるだけ混まない店にする「ガラガラ経営」にあるという。本来は客を集めないともうからないと思うが、なぜ利益を出せるのか。店舗の運営現場を取材し、8月に就任した33歳の新社長に話を聞いて、その秘密を解明してみた。

広い通路、陳列を工夫

 10月下旬に西松屋の住吉遠里小野店(大阪市住吉区)を訪ねると、客はまばらだった。BGMも流れておらず、ベビーカー2、3台が同時にすれ違えるほど広い通路と静けさが、店の開放感を際立たせている。天井の高さも約5メートルと一般的な小売店の2倍近い。「うちの店はいつでも密集しない。子育てに追われる女性が、短時間でストレスなく買い物できるようにしています」。店舗運営を担う常務執行役員の坂本和徳さん(62)が教えてくれた。

 ガラガラ経営の秘密は陳列の仕方と価格戦略にある。子供服はハンガーに掛けて服の前面が見えるような形…

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宇都宮裕一

毎日新聞大阪経済部記者

 1978年、宮崎市生まれ。2003年毎日新聞社入社。甲府支局で警察、行政取材を担当し、2008年から東京本社経済部で電機、保険業界などを取材した。2010年からは大阪本社経済部で、シャープ、パナソニックの経営危機や、2025年大阪・関西万博の誘致などを取材。現在は関西の経済界や航空業界などを担当している。