海外特派員リポート

歴史に残る?「トランプ流経済政策」の無茶ぶりとは

中井正裕・北米総局特派員(ワシントン)
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集会の会場で掲げられたトランプ氏の大旗=米ワシントンで2020年11月14日、高本耕太撮影
集会の会場で掲げられたトランプ氏の大旗=米ワシントンで2020年11月14日、高本耕太撮影

 米大統領選はトランプ氏の敗北がほぼ確定的となった。「メーク・アメリカ・グレート・アゲイン(米国を再び偉大に)」を掲げ、米国の経済力強化を目指したトランプ政権は、新型コロナウイルス感染拡大までは好調な経済を実現した。しかし、新型コロナで台無しになってしまった。米史上最高と最悪を経験したトランプ政権の経済政策「トランポノミクス」とは何だったのか。

「米国経済は史上最強」

 2017年に誕生したトランプ政権の当初3年間の米国内総生産(GDP)成長率は平均2.5%。目標の3%には届かなかったが、09年6月~20年2月の128カ月間にわたる米史上最長の景気拡大期に貢献した。

 17年1月に4.7%だった失業率は20年2月に3.5%と約50年ぶりの水準まで低下。トランプ氏が重視した株価は20年2月12日にダウ工業株平均が2万9551ドルと就任時から約5割上昇し、トランプ氏は「米国経済は史上最強だ」と胸を張った。

 トランプ政権下の景気拡大を支えたのは、17年12月に成立した「10年間で1.5兆ドル規模」の大型減税と、財政赤字にこだわらない歳出拡大だ。

 財政政策は不況時に歳出拡大や減税で景気を刺激し、景気拡大時は歳出削減や増税で財政再建を図るのが定石だ。

 しかし、トランプ政権は景気拡大時の減税と歳出拡大に突き進んだ。トランプ氏は景気過熱を懸念する声に耳を貸さず、「米経済はロケットのように成長する」と主張した。

財政悪化、FRBに緩和圧力

 トランプ政権の大盤振る舞いの結果、米連邦政府の財政赤字は19会計年度(18年10月~19年9月)に9843億ドルと17年度から48%拡大し、景気拡大期に財政赤字が…

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中井正裕

北米総局特派員(ワシントン)

1975年京都府生まれ。立命館大学法学部卒。2000年毎日新聞入社。岐阜支局、中部報道センターを経て、09年から経済部で電力改革、貿易交渉、日銀などを取材。政治部にも在籍し、首相官邸、自民党などを担当した。18年10月から現職。

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