職場のトラブルどう防ぐ?

勤務時間減で「社会保険から外れる」32歳パートの困惑

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 A恵さん(32)は、従業員数約120人の機械卸会社でパートの事務員として働いています。1年契約で毎年1月1日に契約を更新します。先日、人事担当者と更新前の面談があり、「新型コロナウイルスの影響で事務の業務が減っているため、今の週5日勤務を週4日にしてほしい」と言われました。

 A恵さんは会社員の夫と幼稚園児の子供と3人暮らしです。現在は平日週5日、午前9時~午後4時の勤務で、時給は1100円です。主に子供の教育費をためるために働いており、勤務時間が減ってもただちに生活に困ることはなく、A恵さんにはむしろ自由な時間ができるのは望ましいことです。ただ、人事担当者からは「勤務時間が短くなると、会社の社会保険から外れることになる」とも言われ、困っています。

頼まれて勤務時間が増加

 A恵さんは2年ほど前に今の会社で働き始め、当初は週20時間(1日5時間で週4日)勤務でした。しかし、数人いたパート事務員の退職が続いたこともあり、入社から半年ほどで、会社から頼まれて週30時間(1日6時間で週5日)勤務に変更しました。

 そのため、会社の社会保険に加入し、夫の健康保険の扶養から外れました。手取り額は保険料の分が減りましたが、A恵さんはもう1人子供を希望しており、出産の際に出産手当金を受けられ、育児休業もできる…

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/