
野上さん(仮名、45歳男性)は、精密機械販売会社の営業課長です。この会社の産業医を務める私は、先日、野上さんから健康面で相談したいことがあると打診を受け、面談しました。「テレワークがメインになってから体調が芳しくありません」といいます。
熟睡できず頭痛も
この会社は、新型コロナウイルスの感染拡大で4月からテレワークを導入しています。野上さんは週1日出社する以外はテレワークをしていますが、「最近、熟睡できず、ときどき頭痛がします」と訴えます。
野上さんの勤務状況を確認すると、この半年で徐々に時間外の勤務が増え、直近の1カ月は時間外が80時間弱になっていました。就業時間中は、部下たちとのオンラインミーティングに追われています。オフィスにメンバーが全員いたときは一言の確認で済んだようなことも、オンラインで面談するケースが多いそうです。
野上さんは「テレワークだからこそコミュニケーションが大事だと思い、部下の顔を見られるオンラインミーティングを積極的に行っています。私の予定は誰でも確認できるため、少しでも予定が空いていると、どんどん打ち合わせが入ってきます」といいます。
また、チーム内ではいくつかのプロジェクトが同時進行していて、その進捗(しんちょく)を管理するのも野上さんの仕事です。プロジェクト…
この記事は有料記事です。
残り1011文字(全文1564文字)
投稿にはログインが必要です。
注目コンテンツ