人生100年時代のライフ&マネー

雇用延長70歳へ「いつまで働く?」自分で決める時代

渡辺精一・経済プレミア編集部
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定年後の働き方(1)

 「70歳まで働く社会」がやって来る。2021年4月施行の改正高年齢者雇用安定法は70歳までの就業機会の確保を努力義務として企業に課す。シニア就業を促す環境は整いつつあり、定年後に働く期間は長くなる。中高年は「何歳まで働くか」を意識してライフプランを練ることになる。

企業のコスト負担少ない「再雇用」

 高年齢者雇用安定法は、高齢者が働き続けることができる環境整備を目的とした法律だ。公的年金の受給開始年齢の引き上げに伴い、定年から年金受給までの「無収入期間」を生まないことを狙いに改正されてきた経緯がある。

 現状を確認しよう。同法は13年改正で、希望者全員に65歳までの雇用確保措置を企業に義務づけた。その方法には(1)定年制の廃止(2)65歳以上への定年の引き上げ(3)継続雇用制度の導入――の三つがある。

 厚生労働省「高年齢者の雇用状況」によると、19年時点では、継続雇用制度を採用している企業が全体の78%と圧倒的だ。実際、60歳定年制の企業では定年になった人の85%が継続雇用を選んでいる。

 これに次ぐのが、定年の引き上げの19%。定年制の廃止は3%で、人手不足だったり技術の継承が必要だったりする企業で導入が増えているが、かなり少数派だ。

 継続雇用を好む企業が多いのは、人件費をあまり増やさず、現実的な運用がしやすいためだ。継続雇用の手法は、定年でいったん退職したうえで雇用契約を結び直す再雇用がほとんど。その際「フルタイムかパートか」という労働時間、賃金、待遇などの労働条件を柔軟に決めることができる。企業と本人の間で労働条件の折り合いがつかず、結果的に継続雇用…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。