職場のトラブルどう防ぐ?

コロナ禍のテレワークで25歳会社員が“やつれた”理由

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 A介さん(25)は、従業員数約500人の専門商社に勤務する入社3年目の社員です。新型コロナウイルスの感染拡大で、会社は今年3月に在宅勤務を導入しました。A介さんは週1日出社する以外はテレワークをしていますが、最近疲れやすく、同僚から「やつれた」と言われて困っています。

まともな食事が取れない

 ひとり暮らしのA介さんはテレワークが始まってから外出を控えています。テレワークは残業が禁止です。就業中は集中力を保って業務をこなしますが、それ以外の時間は部屋でゴロゴロして、気づいたら寝ていることがあり、家から一歩も出ない日もあります。

 出社したある日、A介さんは同僚たちから「やつれているけど、大丈夫か」と言われて驚きました。疲れやすくはなったものの、やつれたという自覚がなかったからです。しかし、昼休みに社員食堂に行ったときに「原因はまともな食事をしてないからだ」と気づきました。

 会社の社員食堂は1食400円程度で、メニューが充実しています。A介さんは料理ができません。毎日出社していたころは社員食堂で取る昼食が唯一まともな食事でした。朝食は食べず、夜は残業で遅くなることも多く、スーパーの割引になった弁当が大半でした。

 収入が減っていることも痛手です。月30時間ほどの残業手当や月数回の出張の日当がなくな…

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/