毎日家業×創業ラボ

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星野佳路・星野リゾート代表
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星野リゾートの星野佳路代表=東京都中央区で2020年11月4日、北山夏帆撮影
星野リゾートの星野佳路代表=東京都中央区で2020年11月4日、北山夏帆撮影

星野佳路の家業のメソッド<1>

 星野リゾート代表の星野佳路さんが30年前、家業(ファミリービジネス)として引き継いだのは、長野・軽井沢の古びた温泉旅館でした。その後の大胆な経営改革と急成長の背景には、家業という経営形態だからこその「強み」があったといいます。その秘密を星野さんが解き明かします。

長期視点・戦略への集中という強さ

 家業には、長期視点の経営ができるという独特の強さがあります。長期と言ってもよくある5カ年計画といったものではありません。家業の場合、次世代である息子や娘に安定した形で事業を引き継ごうとする。そうなると、20年、30年単位の長期視点で経営を考える必要があります。

 家業では経営者と株主は同じ人物ですから、「物言う株主」がいるわけではなく、短期的な利益を全く気にしなくて済む。そのことによって、実は本来あるべき長期的な経営戦略を打ちやすくなるわけです。短期利益とのはざまで中途半端にならずに経営戦略を純粋に追求できる点が、家業という経営形態の素晴らしいところであり、星野リゾートの成長に最も効いたと考えています。

30年に1度やってくる大変革

 また、家業には30年に1度、ビジネスモデルを若返らせる仕組みがビルトインされていると言えます。どんな経営者も、いずれは経営を引き継ぐ時が来ます。家業の場合、息子や娘という20歳も30歳も若い世代に引き継ぐことになります。これは家業経営でない大手企業にはできないことです。大手企業の後任社長というと、5歳か10歳ぐらい年下の…

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星野佳路

星野リゾート代表

 1960年、長野県生まれ。慶応大経済学部卒業後、米コーネル大ホテル経営大学院修士課程修了。91年に星野温泉(現・星野リゾート)代表。温泉旅館だった家業を「世界で通用するホテル会社」にするとの目標のもと、所有と運営を一体とする日本の観光産業でいち早く運営特化戦略をとり、大きく変貌、成長させた。

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