メディア万華鏡

社外取締役「女性アナ」なぜ多い? 男社会の透ける本音

山田道子・元サンデー毎日編集長
  • 文字
  • 印刷
女性アナウンサーが民間企業の社外取締役となるケースが目立つという
女性アナウンサーが民間企業の社外取締役となるケースが目立つという

 新型コロナウイルス禍前の2019年夏から、毎日新聞では早期退職勧奨制度(要するにリストラ)で50歳以上の社員が次々辞めていった。私もそうだ。

 「女性の管理職を増やさないといけない今、社外取締役のオファーがいろいろあるんじゃないの」と、退社を決意した女性社員は友人に言われたという。

 それを聞いて、「あり得ない」と思った。リベラル系と目されるメディアで権力にいろいろモノ申してきた女性にそんなオファーはこないだろう、と。

5年前の安倍政権の目標は

 5年前の15年、当時の安倍晋三政権は上場企業における女性役員の割合を20年までに10%とする目標をぶち上げた。実際にはどうか。

 東京商工リサーチの調査によると、20年3月期決算で上場企業2240社の役員総数は2万5273人。うち女性役員は1530人(全体の6.0%)で、前年同期より258人、1.1ポイント増加したが、目標の「10%」には、はるか及ばない。2240社のうち女性役員数ゼロは1152社、全体の51.4%だった。

 9月に誕生した菅義偉内閣では、政府の「取締役」にあたる閣僚20人のうち女性はたった2人。菅首相は10月5日の日本経済新聞などのインタビューで、企業の管理職を念頭に「女性、外国人、中途採用者を含めた多様性の確保が望ましい」と述べた(日経新聞ウェブサイト10月5日)。

 足元の多様性には無頓着なのに、どの口が言う、である。

 さらに、コンサルティング会社「プロネッド」が東証1部上場の2168社を調査したところ、20年7月時点で女性取締役延べ1354人(全体の7.1%)のうち、社内登用の取締役は231人(同1.2%)に過ぎなかった。これに対し…

この記事は有料記事です。

残り1179文字(全文1884文字)

山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。