経済記者「一線リポート」

自民党「消費税減税派」はどこへ 菅政権誕生で一変

村尾哲・毎日新聞経済部記者
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自民党税制調査会の総会。「消費税減税」の声は上がらなかった=東京都千代田区の自民党本部で2020年11月19日、村尾哲撮影
自民党税制調査会の総会。「消費税減税」の声は上がらなかった=東京都千代田区の自民党本部で2020年11月19日、村尾哲撮影

 自民党内で消費税減税を求める声がしぼんでいる。新型コロナウイルスの感染拡大による経済への悪影響が広がるにつれ、今春ごろから減税論が湧き起こったが、年末にかけての税制改正論議で存在感は皆無だった。一体どこに消えたのだろうか。

提言から消えた「減税」

 「積極的な財政出動でコロナショックから立ち直り、デフレ不況に絶対に戻さない環境整備をお願いしたい」。自民党の若手有志30人でつくる議員連盟「日本の未来を考える勉強会」会長の安藤裕衆院議員は11月27日、西村康稔経済再生担当相に新型コロナ対応の緊急提言を手渡した。柱は、売り上げが減った事業者を支援する持続化給付金の拡充などの予算要望。「消費税減税」の文字はなかった。

 安藤氏は「減税派」の急先鋒(せんぽう)。3月には、コロナ対応として事業者の粗利補償とに加えて、「消費税率ゼロ%」を政府に提言した。同じく減税論が強い党保守系グループ「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」と連携しながら、党内で発言を重ね、減税派の存在感を印象づけてきた。

 英国やドイツがコロナ対応で付加価値税(日本の消費税に相当)を時限的に引き下げたことも追い風となり、減税派の議員は「年末に向けてさらに支持拡大を図っていく」と力を込めていた。

「我々の言うこと、眼中にない」

 ところが、11月19日の党税制調査会総会で消費税減税に関する発言はなく、春とは様相が一変した。…

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村尾哲

毎日新聞経済部記者

1983年東京生まれ。上智大卒業後、2008年毎日新聞社入社。福岡報道部、鹿児島支局を経て、13年4月から東京本社政治部で官邸、防衛省、自民党などを担当。20年4月から東京本社経済部で財務省や内閣府を担当している。