産業医の現場カルテ

「集中力が続かない」テレワーク苦戦組へ産業医の助言

佐藤乃理子・産業医・労働衛生コンサルタント
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 産業医である私は先日、従業員数約300人のシステム開発会社で人事部長を務める橋本さん(仮名、47歳男性)から相談を受けました。この会社は、新型コロナウイルスの感染拡大で4月からテレワークを全社的に導入していますが、数カ月たったころ、一部の従業員から「集中力が上がらない」「効率が下がった」といった声が上がるようなったと話します。

在宅で長時間労働の人の特徴

 橋本さんは「在宅勤務で苦労している従業員からは『出社したい』という申し出があります。うまく対応している従業員もいますし、冬になって感染が再び拡大しているので、在宅でできることは在宅でしてもらいたいです」といい、仕事への集中力を高める方法を一緒に考えてほしいと訴えました。

 私は最近、在宅勤務の中で長時間労働になってしまっている人と面談する機会が多くあります。仕事の多くを自宅でできる状況が整っていると、「今日の仕事はここまで」と割り切れない人が少なくありません。

 そうした人たちは、起床後すぐに机に向かい仕事を始める▽家事などが気になって集中力が続かない▽通勤がない分余計に時間をかけてしまう▽仕事後に家事などをしていても、つい仕事のことを考えてしまう――といった特徴があります。

 多くの場合、仕事とプライベートの“スイッチ”の切り替えがうまくでき…

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佐藤乃理子

産業医・労働衛生コンサルタント

2002年、藤田保健衛生大学医学部卒業。泌尿器科医として病院に勤務しながら、がん治療薬の基礎研究にあたった。10年に厚生労働省健康局へ出向して臓器移植関連の政策に従事し、13年に北里大学医学部に所属し、同大学病院の医療マネジメント、経営企画に参画。15年に日本医師会認定産業医となり、複数の企業の嘱託産業医を務めてきた。20年4月に労働衛生コンサルタントを取得し、幅広く働く人の健康や職場環境の管理に関する相談を受ける。また、東京都檜原村で労働環境やライフスタイルのあり方を提案する「檜原ライフスタイルラボ」の共同代表を務める。