経済記者「一線リポート」

マックやセブンが先手「脱炭素化」実現するか

土屋渓・毎日新聞経済部記者
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トヨタ自動車の燃料電池車「ミライ」から充電する日本マクドナルドの配達用電動バイク(手前)
トヨタ自動車の燃料電池車「ミライ」から充電する日本マクドナルドの配達用電動バイク(手前)

 菅義偉首相が10月の所信表明演説で「2050年の温室効果ガス排出実質ゼロ」を表明して以降、政府や企業の動きが慌ただしくなっている。

 11月下旬、流通大手のセブン&アイ・ホールディングスが、セブンイレブンなど国内外約3万の店舗から出る二酸化炭素(CO2)を50年に実質ゼロにする目標を打ち出すことが明らかになった。

 これまでは13年度比で80%以上削減する方針だったが、政府の方針を受けて目標を引き上げた。子会社のセブン-イレブン・ジャパンが商品輸送にCO2を排出せず、水素で動く燃料電池トラックをトヨタ自動車と開発するなど、5年間で約1000億円を再生可能エネルギーや次世代技術に投じるという。

 一方、日本マクドナルドはユニークな取り組みを始めた。同社は9月に川崎市内などの店舗でデリバリー商品の配達用に電動バイクを導入した。

 さらに12月からは、店舗のごみから水素を取り出し、電動バイクの電力に用いる実証事業を始めた。同社担当者は「飲食店から出るごみを同じ会社がリサイクルするのは全国で初の取り組み。環境と経済を両立させ、循環型の脱炭素社会の実現を目指す」と意気込む。

プラスチックごみから水素

 リサイクルの仕組みはこうだ。川崎市内のマクドナルド8店舗から排出された飲料カップのふたやストローなどのプラスチックごみを、臨海部に立地する昭和電工のリサイクル施設に運ぶ。

 そこでプラスチックを高温にしてガス化し、水素とCO2に転換。水素を集めて東京都江東区内の水素ステーションに搬送する。

 ここからが面白い。この水素をトヨタの燃料電池車「ミライ」に充塡(じゅうてん)し、その車でマクドナルド川崎南加瀬店に移…

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土屋渓

毎日新聞経済部記者

 1977年、ドバイ生まれ。2002年早稲田大法学部卒、毎日新聞社入社。水戸 支局、東京本社学芸部などを経て14年から経済部。証券業界、日銀を担当。16~17年 は大阪本社経済部で電機メーカーなどを取材。18年に東京経済部に戻り、経産省など を担当。20年4月から製造業、商社・流通、重工業、財界などを取材するグループの キャップ。