身近なデータの読み方

「鬼滅の刃」で注目!映画興行収入ランキングの不思議

篠原拓也・ニッセイ基礎研究所主席研究員
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映画館の外壁に並ぶ「鬼滅の刃」の広告=横浜市西区で2020年11月18日、丸山博撮影
映画館の外壁に並ぶ「鬼滅の刃」の広告=横浜市西区で2020年11月18日、丸山博撮影

 アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の快進撃が止まらない。10月16日に公開してから、わずか2カ月で興行収入歴代首位に迫る勢いだ。映画は、興行収入ランキングで人気度をはかることが一般的だ。ただ、そのランキングを眺めると、近年の作品が目立つ。なぜなのか。今回は、映画の興行収入についてみていこう。

全米歴代のヒット作は?

 映画の興行収入は、「チケット代×観客動員数」で計算する。ハリウッド映画など、世界最大の映画産業をもつアメリカには、日々の興行収入などのランキングを表示するいくつものサイトがある。歴代、年ごとなどの単位で、全米、世界全体といった、さまざまなランキングを示している。

 興行収入ランキングサイトの一つ「Box Office Mojo」によると、全米の歴代首位は「スターウォーズ・エピソード7/フォースの覚醒」(2015年)で、2位「アベンジャーズ/エンドゲーム」(19年)、3位「アバター」(09年)と続く。10年代の作品が、上位に多く並んでいる。1980年代以前の映画で上位50作品に入るのは、19位の「スターウォーズ・エピソード4/新たなる希望」(77年)と23位の「E.T.」(82年)のみだ。

 往年の洋画ファンであれば、このランキングにかなりの違和感を抱くのではないだろうか。戦前や、50、60年代にも、人気を博した作品がたくさんあったのに、なぜランキングに出てこないのだろうか。

 実は、興行収入ラ…

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篠原拓也

ニッセイ基礎研究所主席研究員

1969年、東京都生まれ。早稲田大理工卒。92年、日本生命入社。2014年から現職。保険事業の経営やリスク管理の研究、保険商品の収益性やリスクの評価、社会保障制度の調査などを行う。公益社団法人日本アクチュアリー会正会員。著書に「できる人は統計思考で判断する」(三笠書房)がある。