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30代子育て夫婦「イデコ加入」で保育料が下がる仕組み

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
 
 

 東京都内在住のA介さん(37)とB美さん(34)夫婦はともに会社員で、公立保育園に通う1歳の子供と3人暮らしです。A介さん夫婦は昨年12月からそれぞれ個人型確定拠出年金(イデコ)を始めました。その際、私はA介さんから「イデコを利用すると子供の保育料が安くなると耳にしました。どのような仕組みか教えてください」と相談されました。

住民税額で決まる保育料

 結論からいうと、イデコを利用することで保育料が下がるケースがあります。

 イデコを利用すると積み立てた金額分の税額控除を受けられ、所得税と住民税の額が下がります。そして、保育料については、両親(世帯)の所得から計算される住民税の所得割課税額(住民税額)を、自治体が定める階層区分に当てはめて保育料を決定するためです。階層区分が変われば、保育料は下がります。

 実際に、A介さん夫婦がイデコを利用する場合に、保育料がどうなるかをみていきましょう。

 A介さん夫婦はフルタイムで働き、子供を公立保育園に預けています。A介さんの年収は約500万円、B美さんの年収は約300万円で、世帯年収は約800万円です。世田谷区に住んでおり、A介さん夫婦の所得の場合、保育料は月5万3500円です。公立と私立を含む認可保育園の保育料は、住んでいる自治体によって異なります。実際の…

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ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、社会保険労務士、MZ Benefit Consulting 代表取締役、オフィスベネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、顧客本位の独立系アドバイザーとして、家計相談、執筆、講演などを行っている。著書に「結局、2000万円問題ってどうなったんですか?」(サンマーク出版)など多数。