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定年後再雇用「同じ仕事で給与激減」は仕方ないのか?

渡辺精一・経済プレミア編集部
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定年後の働き方(3)

 2021年4月施行の改正高年齢者雇用安定法は70歳までの就業確保を企業の努力義務とし「70歳まで働く」時代が到来する。同月からは、正規・非正規労働者間の不合理な待遇差を禁ずる同一労働同一賃金が中小企業にも適用になる。定年後の再雇用は「安い給与で定年前と同じ仕事をする」というのが典型的だが、今後はその見直しも課題になる。

再雇用後も「同じ仕事」が8割超

 高年齢者雇用安定法は現在、65歳までの就業確保を義務としている。方法は(1)定年制廃止(2)定年引き上げ(3)継続雇用――の三つがあり、厚生労働省調査では継続雇用を採る企業が78%で最も多い。定年で雇用契約をいったん打ち切った後、新たな労働条件で再雇用するものだ。

 再雇用の働き方とはどのようなものなのか。労働政策研究・研修機構が19年、従業員50人以上の2万社(有効回答数5891)に行った調査で確認しよう。

 仕事内容は、企業の44%が「定年前とまったく同じ」、38%は「定年前と同じだが責任の重さが軽い」。つまり8割超は定年前とほぼ同じだ。

 賃金水準は、定年時を100とすると、全体では平均的水準の人で79、最も低い水準の人は71。企業規模が大きいほど水準は下がる傾向があり、従業員1000人以上の企業では平均的水準の人で71、最も低い水準の人は60になる。

 賃金水準を決める際に考慮するのは「60歳到達時の水準」がトップで企業の48%が挙げる。仕事に対する評価制度は「導入する予定はない」が40%で最多だ。

人事担当者の4人に3人「シニアが課題」

 これらの結果からは「仕事内容は定年前と同じだが、賃金は一律大幅…

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渡辺精一

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。