産業医の現場カルテ

正月休み明けの「社会的時差ぼけ」職場でのポカに注意

佐藤乃理子・産業医・労働衛生コンサルタント
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 産業医である私は先日、40人ほどの従業員を率いる建設会社の社長、樋口さん(仮名、50代男性)から年末年始の過ごし方について相談を受けました。樋口さんは「例年、年明けは集中力が低く活気のない従業員が数人います」と悩んでいました。

休暇の過ごし方

 樋口さんは、従業員の健康管理に積極的に取り組んでいます。私は年に数回、現場の作業環境の改善に関する相談を受けていました。

 今回の相談は年末を前にしたタイミングということもあり、年末年始の過ごし方の話題になりました。「年始から仕事が忙しくなる予定です。従業員には年末年始休暇で日ごろの疲れをしっかり取ってもらいたいと思っています」と話します。

 樋口さんは、休息の大切さを十分に理解している一方で、休暇明けに従業員一人一人がしっかりと仕事に取り組めるかどうかも気にしています。「休暇中の過ごし方のポイントを従業員に伝えたい」と言います。

社会的時差ぼけに注意

 長期休暇で起こりやすいのは、生活リズムの乱れです。休暇中は、つい夜更かしをしてしまうことがあるでしょう。また、朝遅くまで寝てしまうこともあります。

 通常の週末に生活リズムを崩し、毎週月曜日の朝がつらい、という人もいるでしょう。平日は忙しいため睡眠時間が短くなり、休日に寝だめをして帳尻を合わせようとする人…

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佐藤乃理子

産業医・労働衛生コンサルタント

2002年、藤田保健衛生大学医学部卒業。泌尿器科医として病院に勤務しながら、がん治療薬の基礎研究にあたった。10年に厚生労働省健康局へ出向して臓器移植関連の政策に従事し、13年に北里大学医学部に所属し、同大学病院の医療マネジメント、経営企画に参画。15年に日本医師会認定産業医となり、複数の企業の嘱託産業医を務めてきた。20年4月に労働衛生コンサルタントを取得し、幅広く働く人の健康や職場環境の管理に関する相談を受ける。また、東京都檜原村で労働環境やライフスタイルのあり方を提案する「檜原ライフスタイルラボ」の共同代表を務める。