冨山和彦の「破壊王になれ!」

日本企業よ、まずは稼げ! 冨山和彦さんのESG/SDGs論

冨山和彦・経営共創基盤グループ会長
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ESGやSDGsを企業経営に反映させる議論が世界的に盛り上がっている
ESGやSDGsを企業経営に反映させる議論が世界的に盛り上がっている

 ESG(環境・社会・企業統治)やSDGs(持続可能な開発目標)といった社会的な価値実現を、企業経営や企業統治に反映させる議論が世界的に盛り上がっている。格差拡大による分断問題や地球温暖化による気候変動がいよいよ世界共通のアジェンダ(検討課題)になる中で、株主価値の最大化という一元的原理だけでは企業の根本的な社会的存在意義に疑問符が付くのは当然である。

「三方良し」に潜む大きな勘違い

 そこで、この流れを「いよいよ『三方良し』の日本企業の理念に世界が追いついてきた」などと喜んでいる企業経営者がいるが、申し訳ないがそれは大きな勘違いである。

 目下、最大のグローバルアジェンダ、社会解決課題である新型コロナウイルスに対するワクチン開発競争で明らかになったように、圧倒的に先行したのは収益力、組織能力に勝る欧米の製薬会社である。…

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冨山和彦

経営共創基盤グループ会長

 1960年生まれ。東大法学部卒。在学中に司法試験に合格。米スタンフォード大経営学修士(MBA)。ボストンコンサルティンググループなどを経て、政府系企業再生ファンドの産業再生機構の最高執行責任者(COO)に就任し、カネボウなどを再建。2007年、企業の経営改革や成長支援を手がける経営共創基盤(IGPI)を設立し最高経営責任者(CEO)就任。2020年10月よりIGPIグループ会長。