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「家業を継ぐ」!星野さんが直面した苦難

星野佳路・星野リゾート代表
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星野リゾートの星野佳路代表=東京都中央区で2020年11月4日、北山夏帆撮影
星野リゾートの星野佳路代表=東京都中央区で2020年11月4日、北山夏帆撮影

 家業では、もともとは希望していなかったのに継がざるを得なかったり、先代社長との関係で悩んだりするケースも少なくありません。星野さんも苦難に直面しました。

星野佳路の家業のメソッド

 私の場合、幼い頃から家業を継ぐのだと思っていました。小学校に上がる前から、祖父が私を「4代目です」と紹介していたからです。恐らく生まれた時からそうだったので、私としては継ぐことに全く違和感はありませんでした。

 大学までアイスホッケーをやっていました。それまではあまり経営の勉強はしていなかったのですが、卒業して「継ぐ」とは何だろうと考え始めました。

 アイスホッケーをやっている時は、うまい選手になればいい、といった目指すべきアイデンティティーがすごく明確でした。アイスホッケーがうまくなることが、とにかく自分の目標で。だから卒業後、アイデンティティー・ロスの時期がありました。米コーネル大のホテル経営大学院に行き、学ぶうちに「継ぐ=優秀な経営者になる」ということだと思い至りました。

「うまい経営者になりたい」

 私にとっては「うまいアイスホッケー選手になる」が「うまい経営者になる」に純粋に変わりました。そこから先はとてもシンプルで、うまい経営者、優秀な経営者、良い経営者というのは、一体どういうことなんだろうかと。それで経営理論や人事論に急に興味を持ち始めました。

 29歳で日本に帰ってくると、ギャップを感じるようになっていました。「うまい経営者」になるための修業を積んで帰って来た私には、父親の経営がダメに見え…

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星野佳路

星野リゾート代表

 1960年、長野県生まれ。慶応大経済学部卒業後、米コーネル大ホテル経営大学院修士課程修了。91年に星野温泉(現・星野リゾート)代表。温泉旅館だった家業を「世界で通用するホテル会社」にするとの目標のもと、所有と運営を一体とする日本の観光産業でいち早く運営特化戦略をとり、大きく変貌、成長させた。