産業医の現場カルテ

“飲み会自粛”の年末年始「自宅での飲みすぎ」に注意

佐藤乃理子・産業医・労働衛生コンサルタント
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 産業医である私は先日、40人ほどの従業員を率いる建設会社の社長、樋口さん(仮名、50代男性)と面談し、年末年始に生活リズムを崩さないための睡眠の注意点を話しました(前回参照)。その後、面談は年末年始に機会が増える「飲酒」の話題になりました。

自宅で飲みすぎの傾向?

 例年であれば、忘年会が一段落しているところでしょう。年末年始には自宅や帰省先で、仕事始めには職場で新年会が行われ、飲酒する機会が増えるタイミングです。ただ今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、忘年会などを控えざるを得ない状況です。

 樋口さんも、今年は明らかに飲酒の機会が減っていて、会社でも忘年会はしないといっていました。一方「嫌いではないので、自宅で飲む頻度と量が増えています。この年末年始は新型コロナで自宅にいる時間が長くなり、飲酒量が増えそうです」と話しました。

 私も最近、自宅での飲酒量が増えているという人と面談する機会が多くあります。外で飲酒する機会は減っているのですが、自宅では安く済み、その上“帰宅する”必要もないため、つい深酒してしまうことも少なくないようです。すると、二日酔いなどで仕事に影響することも考えられます。また、健康を損なう恐れもあります。

注意すべき健診の項目

 飲酒で健康を損なっているかどうかは、健康診断…

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佐藤乃理子

産業医・労働衛生コンサルタント

2002年、藤田保健衛生大学医学部卒業。泌尿器科医として病院に勤務しながら、がん治療薬の基礎研究にあたった。10年に厚生労働省健康局へ出向して臓器移植関連の政策に従事し、13年に北里大学医学部に所属し、同大学病院の医療マネジメント、経営企画に参画。15年に日本医師会認定産業医となり、複数の企業の嘱託産業医を務めてきた。20年4月に労働衛生コンサルタントを取得し、幅広く働く人の健康や職場環境の管理に関する相談を受ける。また、東京都檜原村で労働環境やライフスタイルのあり方を提案する「檜原ライフスタイルラボ」の共同代表を務める。