経済記者「一線リポート」

原発使用済み核燃料「中間貯蔵」むつ市の反発とは

工藤昭久・毎日新聞経済部記者
  • 文字
  • 印刷
関西電力が再稼働を目指す高浜原発1号機(手前)と2号機(奥)=福井県高浜町で2020年12月2日、塩田敏夫撮影
関西電力が再稼働を目指す高浜原発1号機(手前)と2号機(奥)=福井県高浜町で2020年12月2日、塩田敏夫撮影

 原発の使用済み核燃料を一時保管する青森県むつ市の中間貯蔵施設を巡り、電力会社が共同利用するという新たな案が浮上し、地元のむつ市が反発している。

 この施設は、東京電力ホールディングスと日本原子力発電が出資する「リサイクル燃料貯蔵(RFS)」が運営するもので、2社の使用済み核燃料を受け入れる前提で建設された。

 共同利用案は2社だけでなく、原発をもつ大手電力各社が利用するというものだ。大手電力会社でつくる電気事業連合会は、この共同利用案を検討したいと、12月17日に梶山弘志経済産業相、翌18日に青森県とむつ市に説明した。

 むつ市の宮下宗一郎市長は18日、説明に訪れた電事連と経産省幹部に「むつ市は核のゴミ捨て場ではない。施設があるからという理由でむつ市に受け入れる必然性はない。全国で探すプロセスがあってしかるべきだ」と苦言を呈した。

関西電力の救済か

 使用済み核燃料の保管場所の確保は、電力業界共通の課題だ。むつ市に確保できれば業界にとってはプラスになるが、現状で行き場のない使用済み核燃料が増えるむつ市にとっては、メリットを見いだしにくいのが実態だ。むつ市以外に全国で候補地を探したのかについても、明確な説明はされていない。

 共同利用案が浮上した背景には、この問題に最も頭を悩ませている関西電力を電力業界が支援する意味合いが透けて見える。関電は高浜原発1、2号機(福井県高浜町)などの再稼働を巡り、福井県から中間貯蔵施設の候補地を年内に県外で見つけるよう求められているからだ。

 電事連の池辺和弘会長(九州電力社長)は「個社の動向は念頭にない」とするが、大手電力幹部は「保管場所の選択肢を増やす…

この記事は有料記事です。

残り812文字(全文1510文字)

工藤昭久

毎日新聞経済部記者

 1974年生まれ。立教大学法学部卒。生命保険会社勤務を経て、2000年毎日新聞社入社。静岡、浜松支局を経て04年から東京経済部。財務、総務、経済産業、農林水産などの中央官庁や産業界、金融業界、財界などを幅広く取材。18年4月から大阪経済部編集委員として関西経済を取材。20年4月から経産、農水両省、エネルギー業界の取材を束ねるキャップ。