
現在の中東では、(1)サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、イスラエルなど、(2)イラン、(3)トルコ──という三つの勢力のせめぎ合いが続く。
サウジやUAEは、「穏健なイスラム国家の再構築」を目指して積極的な経済・社会改革を進めている。2011年、中東のゲームチェンジャーとなった民主化運動「アラブの春」以降、湾岸諸国の首脳たちは、自国のシーア派やイスラム共同体の実現を目指すムスリム同胞団などが君主制へ挑戦することを恐れて大胆な社会の開放政策を進め、政治的イスラム主義の影響力排除に乗り出している。
一方、イランはシーア派の枠組みを利用した政治的イスラム主義を掲げて非国家主体の代理勢力を…
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