ニッポン金融ウラの裏

ESGを名乗るみずほ証券の株式投信は“看板倒れ”!?

浪川攻・金融ジャーナリスト
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 近年、資本市場で重視されている概念が「ESG」である。「環境(E)、社会的な役割(S)、企業統治(G)」を意識し実行している企業こそ、持続的な成長を期待できるという考え方だ。投資の尺度として盛んに取り入れられている。

 この潮流が好ましいことは言うまでもない。しかし最近、気になることがある。何がESGに合致しているのか判然としないのに、「ESG投資」を掲げて投資家に販売する商品が目につくのだ。

「ESGを独自評価」としているが…

 具体的な事例を紹介しよう。みずほ証券が販売している愛称「未来の世界」という株式投資信託のシリーズ商品がある。人気を集めて設定額が膨らみ、注目度も高まっている。

 シリーズの主力で当初、「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド」の名称で売り出された商品がある。その後に「ESG版」が新たに設定され、「未来の世界(ESG)」の愛称がついた。みずほ系の運用会社「アセットマネジメントOne」が表に出ているが、実際には米国モルガン・スタンレー系の資産運用会社が運用している。

 商品の説明資料や動画の説明を見ると、投資先の価値を測る尺度として成長性などのほかに独自のESG評価を取り入れているとしている。ところが、ESGをどのように評価しているのか、具体的な説明がほとんどなされていない。

 商品に組み入れた株式上位10銘柄をみても、当初発売した商品とESG版で重複銘柄が多く、銘柄説明は同一である。要するに、ESG版とはうたっているものの、ESGの観点からの説明はないのだ。

 資産運用分野の専門家からも「何がESGなのか、首をかしげざるを得ない」(大手資産運用会社幹部)と…

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。