経済プレミアインタビュー

河野龍太郎氏「日本経済が崩れる二つのシナリオは」

平野純一・経済プレミア編集部
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東京証券取引所=幾島健太郎撮影
東京証券取引所=幾島健太郎撮影

BNPパリバ・河野龍太郎氏に聞く(下)

 2021年は米国でバイデン政権が誕生する。世界情勢はどうなるのか。米中関係の行方はどうなるか。そして日本経済の見通しは。河野龍太郎・BNPパリバ証券チーフエコノミストに聞いた。【聞き手は経済プレミア編集部・平野純一】

 --2021年の世界情勢はどのように見たらいいでしょうか。

 ◆河野龍太郎さん 米大統領選は民主党のバイデン氏が勝ちましたが、ではトランプ政権が行ってきた、格差拡大を助長したり、国内を分断したりするような政策をすぐに転換できるかというと、それは難しいと思います。

 米上院の議席数はまだわかりませんが、共和党が上院を押さえれば、バイデン氏は、経済格差是正を求める民主党左派と上院の板挟みに遭って、身動きがとれなくなります。税制改革などは、議会の専権事項なのです。もしかすると、バイデン氏はトランプ氏の2期目を阻止したこと以外は大きな成果を残せずに終わるかもしれません。

イノベーションが格差を広げる?

 --バイデン氏の国際協調重視の政策には期待している人も多いと思いますが。

 ◆同盟国に対しては、多国間主義を重んじると思います。ただ、中国に対してはトランプ政権と同様、厳しい態度で臨むのではないでしょうか。

 対中貿易で、トランプ政権は消費財にも関税をかけましたが、それは米国民にとっても良くないことなので、この部分は取り除かれる可能性があります。ただ、民主党は人権重視なので、関税引き下げの条件として、香港の国家安全維持法や新疆ウイグル自治区での弾圧などで、改善を要求してくるでしょう。しかし、中国はこの問題で妥協はできないので、問題が複雑…

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平野純一

経済プレミア編集部

1962年生まれ。87年毎日新聞社入社。盛岡支局、サンデー毎日編集部、経済部、エコノミスト編集部などを経て2016年から現職。金融、為替、証券、マクロ経済などを中心に取材。