職場のトラブルどう防ぐ?

「退職前の有休消化」32歳女性契約社員が抱いた不満

井寄奈美・特定社会保険労務士
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 A美さん(32)は、従業員数約80人の食品卸会社で契約社員の営業アシスタントとして働いています。4年前の2月1日に1年契約で入社し、3回更新してきましたが、昨年末の会社との面談で業績悪化を理由に契約打ち切りを告げられショックを受けました。さらに、転職活動のために年次有給休暇を取ることも制限され、会社へ不満を募らせています。

「業務の引き継ぎは?」と言われ…

 A美さんはひとり暮らしで、生計を給与収入に頼っており、今の会社でできるだけ長く働きたいと思っていました。そのため契約の更新に有利になればと考えて、これまで残業を積極的に引き受け、有休をほとんど取らずに働いてきました。

 新型コロナ禍で、次の仕事がすぐに見つかるとは思えません。A美さんは転職活動をする時間を少しでも長く確保するため、退職日の1月31日までの間にたまっている有休(20日分)をすべて使いたいと会社に申し出ました。1月の営業日数は18日間で、すべて有休となると1月は出勤しないことになります。

 すると会社から「業務の引き継ぎはどうするのか。残されるみんなのことは考えているのか。非常識ではないか」と言われました。A美さんは驚きましたが、同僚には迷惑をかけたくないと思っており、業務の引き継ぎのために数日出勤することにしました。

 ただ契約…

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井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/