
新型コロナウイルスの感染拡大は、シニア女性の生活にも影響を及ぼしています。重症化リスクが高まる年代のシニア女性たちは「デジタルシフト」をできるかどうかが大切になっています。
リアルからオンラインへ
私が所属する「ハルメク 生きかた上手研究所」は、コロナ前はニーズを探ったり商品開発を一緒に考えたりする座談会やワークショップを年約70回実施していました。
しかし、新型コロナの影響で昨年2月、参加者が集まる形式の座談会などを当面の間中止か延期することにしました。
その代替策として3月末にオンライン座談会を初めて行い、改善を重ねて徐々に回数を増やし、11月には8回実施しました。参加者は1回につき5~20人ほどですが、参加申し込みが定員の数十倍に達することもありました。
また8月には、無料のオンライン交流会を開催し、68人もの参加がありました。交流会では、アンケート投票や参加者が数人ごとに話ができる機会を設けるなど工夫しました。
肯定的な声
オンラインの座談会や交流会はいずれも参加者からの反応もよく、盛会でした。ただこの状況から、シニア女性も「デジタルシフト」ができていると捉えることはできません。現状では、シニア女性でインターネットやスマートフォンなどを使いこなせる人は一握りで、こうした人たちが積…
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梅津順江
株式会社ハルメク 生きかた上手研究所所長
大阪府生まれ。杏林大学社会心理学部卒業後、ジュジュ化粧品(現・小林製薬)入社。ジャパン・マーケティング・エージェンシーを経て、2016年3月から現職。主に50歳以上のシニア女性を対象にインタビューや取材、ワークショップを行っている。著書に、「この1冊ですべてわかる 心理マーケティングの基本」(日本実業出版社)などがある。