高齢化時代の相続税対策

21年度税制改正「資金贈与の非課税措置」何が変わる

広田龍介・税理士
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 2021年度の与党税制改正大綱が昨年12月10日決定した。新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、感染防止と経済成長の両立に向けた改正がメインとなったが、相続分野でも、祖父母や親から資金の贈与を受けた場合の非課税措置の取り扱いが改正になる。ポイントを紹介しよう。

住宅資金贈与は拡充

 人生100年時代の長寿社会が到来し、相続は、資産を残す親、資産を受ける子のそれぞれが高齢になっている「老老相続」が増えた。資産が高齢者層にとどまり、現役世代に引き継がれにくいことは、消費低迷の一因とされる。

 そこで、祖父母や親から子や孫へ、世代間の資産移転を早めるため、住宅取得▽教育▽結婚・子育て――など特定の資金については、一定額まで贈与税が非課税になる特例措置がある。21年度改正では、これら三つの資金贈与の非課税措置の取り扱いが変わる。

 まず、住宅資金贈与の非課税措置だ。コロナ禍で住宅取得する環境が悪化していることから、需要喚起のため拡充する。

 現行制度は、21年3月末までの住宅取得については、省エネ住宅で1500万円、一般住宅で1000万円までを非課税としており、21年4月から、この限度額をそれぞれ引き下げる予定だった。

 改正では、この引き下げを見送り、現行内容を21年12月末まで適用する。また、対象住宅は床面積が「50平方メートル以上240平方メートル以下」という条件があるが、贈与を受ける人の合計所得金額が1000万円以下なら、下限を「40平方メートル以上」に引き下げる。

教育資金一括贈与は厳格化

 教育資金の一括贈与の非課税措置は、30歳未満の人が祖父母や親から教育資金を一括で贈与しても…

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広田龍介

税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。