産業医の現場カルテ

「コロナ禍と花粉症対策」飛散が本格化する前に準備を

佐藤乃理子・産業医・労働衛生コンサルタント
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 細田さん(仮名、36歳女性)は、あるメーカーの経理職です。この会社の産業医を務める私は、年明けに細田さんから「もうしばらくすると花粉症のシーズンです。毎年、症状が出始めてから市販薬で対処するのですが、鼻水とくしゃみで仕事に集中しづらいです」と相談されました。今シーズンは新型コロナウイルス感染症が拡大していることもあり、くしゃみを防ぎたいとも言います。

花粉症のメカニズム

 花粉症はアレルギー疾患の一つで、花粉などの抗原(アレルゲン)が体内に入り、抗体と結びついて反応することで、ヒスタミンという物質が放出されることにより発生します。主な症状は、くしゃみや鼻水、目のかゆみで、頭痛や倦怠(けんたい)感を伴うこともあります。

 こうした症状により、日常生活に大きな影響が出ます。また、仕事への集中力をそぎ、効率が下がりかねません。

 春先のアレルゲンは主にスギですが、ヒノキのケースもあります。また、季節を問わずに症状が出る人もいて、夏はイネ、秋はブタクサやヨモギがアレルゲンになりえます。ハウスダストやカビに反応する人もいます。

 アレルギー症状のある人は、主治医に自分のアレルゲンを特定してもらうのも一案です。どのアレルゲンを注意すればよいか、対策を立てやすくなります。

職場でできる対策は

 細田さんには、ま…

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佐藤乃理子

産業医・労働衛生コンサルタント

2002年、藤田保健衛生大学医学部卒業。泌尿器科医として病院に勤務しながら、がん治療薬の基礎研究にあたった。10年に厚生労働省健康局へ出向して臓器移植関連の政策に従事し、13年に北里大学医学部に所属し、同大学病院の医療マネジメント、経営企画に参画。15年に日本医師会認定産業医となり、複数の企業の嘱託産業医を務めてきた。20年4月に労働衛生コンサルタントを取得し、幅広く働く人の健康や職場環境の管理に関する相談を受ける。また、東京都檜原村で労働環境やライフスタイルのあり方を提案する「檜原ライフスタイルラボ」の共同代表を務める。

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