経済記者「一線リポート」

2度目の「緊急事態宣言」飲食店から聞こえる悲鳴とは

土屋渓・毎日新聞経済部記者
  • 文字
  • 印刷
緊急事態宣言で記者会見する菅義偉首相の映像を流す街頭ビジョン=大阪市中央区で2021年1月13日、小出洋平撮影
緊急事態宣言で記者会見する菅義偉首相の映像を流す街頭ビジョン=大阪市中央区で2021年1月13日、小出洋平撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う2度目の緊急事態宣言が議論を呼んでいる。先行する首都圏の1都3県で営業時間の短縮要請を受けた外食関連業界からは「これで本当に感染拡大に歯止めがかかるのか」などと異を唱える声が個人経営店だけでなく、大手外食チェーンなどからも相次いでいる。

 経済界からは時短を守らない店には罰則もやむなしとの見方が広がり、経済全体に暗いムードが漂っている。

 政府が1月8日に出した緊急事態宣言で、東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県の飲食店は営業時間が午後8時、酒の提供は午後7時までとなった。幅広い業種が休業要請などの対象となった2020年4月の緊急事態宣言と比べ、今回は主に飲食店が営業自粛の対象となった。期間は2月7日まで。これで感染拡大をどこまで防げるのか注目されている。

大手チェーン店からも

 そんな中、キリンビールの布施孝之社長は1月6日に開いた新年の事業説明会で「感染防止を徹底している店もある」と述べ、飲食店を一律で時短要請の対象とすることに疑問を投げかけた。

 アルコール類を提供する飲食店にとって、午後8時で店じまいを強いられるのは死活問題だ。ワタミは「採算が合わない」として4都県の「ミライザカ」「鳥メロ」など居酒屋100店舗のうち83店舗について、緊急事態宣言中は休業とした。

 ある大手外食チェーンの関係者は「飲食店だけ対象にしても中途半端。1カ月で感染拡大が止まらなければ、我々は捨て石になってしまう」とやりきれなさを語る。

 さらに「ロックダウンを徹底している国々で感染が下火にならず、時短や休業に感染をコントロールする効果はない」として、午後8時以降も営業を続けると…

この記事は有料記事です。

残り734文字(全文1435文字)

土屋渓

毎日新聞経済部記者

 1977年、ドバイ生まれ。2002年早稲田大法学部卒、毎日新聞社入社。水戸 支局、東京本社学芸部などを経て14年から経済部。証券業界、日銀を担当。16~17年 は大阪本社経済部で電機メーカーなどを取材。18年に東京経済部に戻り、経産省など を担当。20年4月から製造業、商社・流通、重工業、財界などを取材するグループの キャップ。