身近なデータの読み方

「20年は過去最少の2839人」交通事故死者数の読み方

篠原拓也・ニッセイ基礎研究所主席研究員
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 2020年は交通事故の死者数が3000人を下回った。警察庁が今年1月初旬に発表した統計によると、全国の死者数は2839人で、統計が残る1948年以降最少となった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛も影響したとみられる。今回は、交通事故の死者数について考えてみよう。

事故件数や死者数が減少

 20年は、交通事故の件数が大幅に減少した。その数は30万9000件で、前年よりも7万2000件以上減った。これを受けて、交通事故の負傷者数は36万8601人(前年比9万3174人減)、死者数は2839人(同376人減)だった。そもそも交通違反の取り締まりを強化するなどして事故数が減っていたなかで、コロナ禍で外出自粛が進んだことも大きな要因となったようだ。

 この統計に関する国家公安委員長のコメントのなかで、一つ気になる点があった。それは「20年までに24時間死者数を2500人以下とする目標については、残念ながら達成できませんでした」というものだ。

 「24時間死者数」とは何か。日本では、交通事故が起きてから24時間以内に死亡した人数を交通事故による死者数として公表している。国として、昨年までにその死者数を2500人以下とする目標を立てていたが、これが達成できなかった、というわけだ。

 事故から24時間以…

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篠原拓也

ニッセイ基礎研究所主席研究員

1969年、東京都生まれ。早稲田大理工卒。92年、日本生命入社。2014年から現職。保険事業の経営やリスク管理の研究、保険商品の収益性やリスクの評価、社会保障制度の調査などを行う。公益社団法人日本アクチュアリー会正会員。著書に「できる人は統計思考で判断する」(三笠書房)がある。